昇秋の部屋

『昇秋の部屋』第2回対談後編(お相手:徳田虎雄先生)

2011/12/19

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三保ケ関親方と徳田虎雄理事長との対談の後編です。

理事長に代わって能宗理事が徳洲会のこれからの目標についてご説明くださいました。

器材や教育を投資して、その国で上げた利益は1円たりとも持ち帰らずその国に再投資する。ここが最も誇るべきところです。

能宗理事(以下能宗) 国内では古い病院の建替えと同時に、新しい病院をつくります。もう着工している所もありますが、5年以内には、30カ所近く建替えなくてはいけない状況です。
国内と同時に海外にも病院開設を展開します。ブルガリアに1,000床規模の病院を作りましたが、それがきっかけでイギリスのケンブリッジ大学病院での事業も始まりますし、ロシアでの話も進んでいます。

 

 

 

 

これからの事業についてご説明くださる能宗理事
写真奥は、医療スタッフにサポートされる徳田理事長

 

 

 

 

また、とにかく出来ることから始めようという事で、アフリカやアジアで透析センターを作る話も進めています。
日本のODAも海外協力もお金と物を贈って終わりですが、我々はゼロから立ち上げるために、機械も送りますけれども、先ずドクターとナースとエンジニアを日本に呼んで充分にノウハウを教え込んで帰国させます。日本で彼らに教えたスタッフが現地に行って一緒に立ち上げます。先ず物があって、教育があって、そして最後に立ちあげをして帰って来る。
更に、ここであがった利益は1円も持ち帰らず、その国の医療に再投資します。自画自賛になりますが、ここが、徳州会のもっとも誇るべきところです。
国内では離島や無医村医療など国がすべき医療を徳州会がやっている現状を視察した海外のグループから、こんな質問を受けました。
「徳州会はこれだけのことをやって、国から毎年何百億のお金を貰っているのか?」と。
「一円も貰っていません。」
「では、理事長は最高の勲章をいくつ貰いましたか?」と。
「一つも貰っていない。」と答えますと、「Japan is crazy.」こういうふうに言われました。
三保ケ関親方(以下親方) いやあ、凄いですね。その根本は、“命だけは平等だ”の精神から来ているのでしょうね。
能宗 そうです。理事長が先ほどから言った通り、医療に貢献するのが目的です。
親方 是非頑張ってもらいたいですね。これ程日本をアピール出来るものはないと思います。どんな外交よりも勝っていると思います。本当に。医療というのは、人間にとって一番大事な問題ですからね。
能宗 そうです。先進国も後進国も医療で悩んでいます。アメリカは医療が完成しているように見えますけれども、そうじゃないです。金持ちしか診療しません。貧乏人は見捨てられているんです。
これまではJapan is No.1なんて言っておだてられて、金をむしり取られましたけれども、これからは、金はないし、資源はないし、人口も減少して行くと国力は落ちて行きます。 そうなると、やはり我々が持っている医療即ち命に対する貢献が世界の外交に一番役に立つのではないかと思います。
親方 それが一番だと思いますね。理事長にはまだまだ元気に頑張ってもらわないと。
能宗 本当にそうです。この状態でずっと安定していけば、10年や20年は執権活動はできますので、それで頑張るだけです。轟沈するまでやるそうです。(笑)。


 

 

 

 

 

徳田理事長の著作本やCDの数々

医療でも、相撲でも一つの事に愛と忠誠心をもって、一生携わるべきです。お金や女に迷ってはいけません。

親方 いやいや、それは素晴らしいと思います。大抵ある程度成功したら、これでいいだろうと満足してしまいますが、満足しないで、どんどん進んで行かれるというところは、我々凡人と違うところだと思いますね。
能宗 ここで全ての事を判断して、指揮を執り、檄を飛ばして、我々を動かして行くのはなかなか大変だと思います。病気になって自分が一度も行っていない土地でも事業展開していくというのは。
親方 こんな所にお母さんの“辛抱しなさい”という言葉が、生きているんですね。
能宗 自分がなんでこんな病気になるんだと恨みますよね、普通は。
親方 誰かに当たったり・・・ですね。
能宗 そうですよね。なかなか、“神が与えてくれた”とは言えないですよね。しかも行動は止まらないですから。なかなか大変だと思いますね。
親方 並大抵の精神じゃ出来ないと思います。僕ならとっても無理ですね。
能宗 ただ、先ほど理事長が言われた通り、自分が元気だったらいろいろな雑念もあった。夜は一緒に酒を飲んでね、若い女の子なんかと。今はそれが何も出来ないと、逆に集中出来ると。雑念が全くなくなって却って全知全能を絞って、どうやれば早く出来るかと考えることに集中出来たと。実際にそうだと思いますね。
親方 私も最近だいぶ雑念がなくなってきました。(笑)それでも、ちらっちらっと雑念が頭を過ります。
徳田理事長(以下理事長) 医療でも、相撲でも一つの事に愛と忠誠心をもって、一生携わるべきです。お金や女に迷ってはいけません。(笑)
親方 わかりました。何だか私が言われているみたいですね。(笑)
理事長 この言葉は是非、部屋の弟子達に言ってほしいです。
親方 うちの親父にも同じこと言われました。「女に迷ってはダメだ。女に夢中になる前に女に夢中にさせるんだ」と…

スポーツマンに限らず人間は怪我や、病気との闘いがありますので、まさに医療が一番、人間生きていく上で心のよりどころですね
理事長 ところで、親方は人間ドックはされていますか?
親方 1年に1度、相撲協会で成人病検査をやっています。2年おきには人間ドックに入っています。
理事長 胃カメラや大腸カメラはされていますか。胃カメラは1年に1度。大腸カメラは2年に1度検査してください。
親方 はい。
能宗 九州場所で福岡にいらっしゃるときに時間はとれますか?
親方 時間はとれますが、暴飲暴食なんです、九州では。どうか癌が見つかっても、宣告しないでくださいね(笑)。
理事長 是非、奥様と一緒に検査してください。
親方 ありがとうございます。うちの女房は胃が弱いんですよね。
理事長 ところで、九重親方が現役時代脱臼した時に、徳州会の整形外科医が、1日200回以上の腕立てをさせたから強くなれたと、私にまで感謝してくれています。
親方 彼は脱臼癖があって、腕立てやるようになってから脱臼しなくなりました。脱臼させたのがうちの力士だったんです。脱臼すると癖になってしまいます。だから、靭帯は鍛えられないけれども、筋肉は鍛えられるので、筋肉で靭帯のカバーしたんですね。
でも、偉いですよね。お医者さんに言われたことを、九重親方はきちんとやりましたから。
ここが分かれ道なんですね。言うことを聞いて実行するか、聞き流しちゃうか。
相撲の力士でどこも悪くないという人は誰もいないですからね。
ところで、今はタニマチって後援者みたいな意味で使いますが、昔は大阪の谷町に在ったお医者さんを総称してタニマチって言っていたんです。怪我すると、「タニマチ行って来い」って。タダでみてくれたんです。
それがいま、スポンサーと同じ定義の言葉になりましたが、元は谷町のお医者さんのことを言ったんです。
スポーツに携わっている人間っていうのは、医療が一番大事です。どうしても怪我が多いですから。スポーツマンに限らず人間は怪我や、病気との闘いがいろいろありますので、まさに医療が一番、人間生きていく上で心のよりどころですよね。
普段になく私、まじめな事を言っているな。(笑)
理事長 相撲は人生そのもののように思います。
親方 おっしゃる通りですね。挫折していく者もいるし、出世していく者もいる。ケガで脱落していく者もいるし。正に人生の縮図ですね。
理事長 若乃花も辛抱が大切と言っていました。
親方 スポーツでは「根性、根性」って言いますが、根性イコール辛抱だと思いますね。私は割と順調に出世して行きまして、当時十両への最速記録は私が作ったんですけれども、それでも挫折というか、もうダメだな、辞めようかなと思うことがありましたから、怪我したり、なかなか上にあがれない、出世が遅い力士というのは、常に辞めたいな、もうダメだな、もう俺はこれまでかなという、挫折しそうになる時が何回も来ていると思います。では、なんでそれを切り抜けられるかと言ったら、辛抱しかない。辛抱して切り抜ける最後、それが根性だと。だから根性ってすぐ言うけれども、なかなか難しいものですよ。
勿論、勝負の世界ですから、上位にあがっていかないと、ダメな世界ですけれども、出世しなくても相撲界でもまれて人間的に立派に育った人間もたくさんいますからね。
ですから、先ほど理事長が仰った『相撲は、人生と一緒だ』とは、まさにその通りですね。
理事長 ぎりぎりの勝負をしている人は、挫折寸前まで辛抱しているはずです。みんな紙一重で乗り切ってきたかも。
親方 紙一重ですよね。人生なんて。
理事長 本日は長時間本当にありがとうございました。
親方 いや、こちらこそありがとうございました。どうぞお疲れのないようにしてください。どうもありがとうございました。

最後に親方と理事長は握手をして別れました。
病室の壁には6カ月分のカレンダーが掲示されていて、理事長が元気な時に使っていらした手帳と同じように昨日の日付けまでが、1日づつ斜線で消されていたのが印象的でした。

この対談の内容は、徳洲新聞にも掲載されました

 

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